自分を知ることは

 

優れた忍び(忍者)になるためには「ワレヲシルベシ」(*)という言葉を常に意識することが大事だと忍術書に残されています。現代でも、精神的・能力的・体力的な自分の限界を知っておくことで高いパフォーマンスが発揮できたり、ピンチやトラブルに落ち着いて対応できることにつながります。

日頃から自分の力量を正しく理解して「もう少しいける」もしくは「そろそろ危ない」サインを見逃さないことは、とても大切なリスク管理。
必要な時はいったん立ち止まり、柔軟に次の手を考えるか 少しでも休む方が、結果的には長く動き続けられて、人生100年時代 幸せかもしれません。

 

そして、知っていそうで一番わからない「自分の内面」を深く知るためには、思い込みや他人の言葉ではなく、自分の心の動きを静かに俯瞰する習慣を、面倒くさがらないで根気強く身につけることが大切です。

自らに問いかけ、答えを導く。人の意見を「参考に」することはあっても、最終的には自分で答えを選ぶ。

そしてうまくいかないことがあっても、人のせいにせず、自分を責めるでもなく、正しいか間違っているかの判断もしないで、ゆったりと呼吸をしながらただ静かにそのまま、受けとめてみましょう。

シンプルなことながら慣れるまでは時間がかかるかもしれませんが、深く「自分を知る」ことは、社会の中で自分を活かすためであり、周りと共存して生きるためにおろそかにしてはいけないとても大切なこと。

一生付き合っていくのは、他の誰でもない「自分自身」です。

*引用資料:用間加條伝目口義(ようかんかじょうでんもくくぎ)