花情竹性(かじょうちくせい)

 

花の風情と竹のような性質と*

戦うイメージの強い忍者ですが、生きることを優先したサバイバーでした。国や地域の安寧のために、生き残り、有益な情報伝えることを是とした忍者。命の危険にさらされることが常でしたが「花のよう風情と、竹の性質のように変幻自在で剛(つよ)くてまっすぐな心の有り様で生きる」ことを目指しました。少し意外に感じるでしょうか

 

野に咲く花は誰が手入れをしなくても 時期が来れば、咲いて私達の目を楽しませたり、芳香放ったりして心を潤してくれます。それでも決して強く主張することなく、ただ咲いて散り、実になり種を残してまた時期が来れば美しく咲く。花が咲くということは人にとって華やぎや命の結晶を感じさせるものであり、同時に日常でもあります。は「破竹の勢い」と言われる驚異的な生命力を持ち、種類によっては食べることができたり、加工すれば生活に役立つ様々な道具に姿を変えられる、など剛柔合わせ持った変幻自在な植物です。その姿も青々と美しく、しなやかにまっすぐ伸びています。

さて、忍者は誰にも気づかれず淡々と任務をこなすのが優れた忍びの証でした時には一つの任務のために何年もかけて潜入口を作ったり、身分を変えて敵地に潜入して一から人間関係を築いたりするような、地味で地道な任務も数多くありました。

一方で、人の心理の盲点を突いた大胆な行動力が必要でした。過酷な環境下でも目的を見失わず、状況に応じて相反する要素を持つ任務の遂行(緻密さと大胆さ、計画性と対応の柔軟性、忍耐強さと行動力など)を可能にすることは、並大抵の精神力では務まらなかったでしょう。

そんな忍者ですからなおさら、自然の力を借りて心を中庸に保ち、花情竹性を目指して自他共存の道を探っていたのかもしれません。

震災国である日本の建物は「遊び」(空間的なゆとり)があることで、地震の衝撃や揺れを吸収し軽減させます。竹も「しなる」ことで簡単には折れない強度を保っています。私達人間、いつも張りつめて勝ち負けや正誤ばかりを追っていると心が折れやすくなりますが、「遊び」や「しなり」につながる心の余白があることで、また元気に戻れる力を持っています。柔良く剛を制す、と言われますが、遊びしなりは剛柔をつなぐ秘訣なのかもしれませんね

NINJA FORESTによる解釈