手裏剣の奥深さ

 

手裏剣は実は御守り?

忍者というと手裏剣を打つイメージがありますが、これは歌舞伎や時代劇の影響が大きいようです。もちろん手裏剣を打つこともあったかもしれませんが、主な用途は実は御守りだったのではないか、というのが現代の見方です。
数百年前の鉄は高価なもので、加工には技術が必要でした。それらをばら撒くほど忍者は豊かではなく、相手に致命傷を与えるほどの武器ではない、更にたくさん持ち歩くと重い上に音がするので、実際には1,2枚を護身用に懐に忍ばせたというのが現実のようです。

あまりイメージを変えられるとショック!という方のために追記。棒手裏剣(下・写真参照)は、携帯にも便利なうえに経済的で相手へのダメージも与えられるということで、五寸釘の突起を取って多用していたそうです。脚絆や手甲、編み笠の中などに隠して携帯していたようです。実用的なものはシンプルですね。

そして最もよく知られる十字手裏剣には、実は十字架と同じような意味があったのではないか、という見方があります。西からの渡来人によって十字架がもたらされ、天と地(光と影)を表す二本の線がクロスしている十字手裏剣を御守り代わりに忍ばせて、忍者は心を剛(つよ)く保ったのかもしれません。

あなたは何を持って、心を剛(つよ)く保ちますか?