忍者のメンタルを支えた指針
忍者は表立って活動する際には、旅芸人や僧侶、商人などに変装して行動しました。そうすることであらゆる場所の人混みに馴染み、様々な情報を得ることができました。
現代でもシーンに応じて自分を演じ分けられるとラクだ、という話を聞くことがあります。ただ、こうしたらいいと頭でわかっていてもなかなかそこまで大胆に演じ分けるということはできないのが人の常。
そんな自分のことをよく自覚し、重い腰を上げるためのいくつかの法則を忍者は持っていました。今回は3つを選んで紹介します。
1.「正心」
忍者は侵入や謀略の技を持っていましたが、それを私利私欲のために使うと盗賊と変わらない。ゆえにいつでも自分の正しい心を忘れてはならない、という戒めであり心の羅針盤でした。
2. 「我を知るべし」
どんな時でも自分という人間を知ることがなにより大事だということです。忍者は会話の中で、相手の感情に揺さぶりをかけて、知られぬ間に相手の感情を操作したり情報を引き出したりします。それをするためにはまず自分の弱点を把握しておくことが必要不可欠です。それが克服の第一歩となり、相手から弱点を突かれるという状況を事前に避けることにもつながるのです。
3. 忍びの三病
「恐怖を抱く・敵をあなどる・あれこれ考えすぎる」。 の三つです。読んで字のごとくですが、確かに、迂闊に動く/不安で動けない、の両面を戒める、本当によく考えられた言葉ですね。この三病にかからずとにかく「行動」するべし!という指針です。
これらを自らに問いかけ続けることで、忍者は重い腰を上げてメンタルを整え、強い覚悟を持って忍務についたのだと思います。
そして、その強い覚悟が様々な変装にも現実味を持たせ、時代を支える力になったのではないでしょうか。
これらに加えて、心を鎮めるためのルーティンや勇気を得るためのルーティン、そしていつでもベストパフォーマンスを出せる状態をキープする食事なども大切にしました。それらについてはまた別の機会に。